八幡市を中心とする地域では、物流施設や工場の開発が進み、新しい求人も生まれています。
一方で、「求人が多い」「物流の仕事が多い」といった印象だけでは、地域の雇用構造までは分かりません。
このページでは、八幡市・京田辺市・久御山町・城陽市を中心に、就業者数、産業別の雇用、求人倍率、通勤による人の移動など、地域の雇用を数字で確認できるデータを整理します。
求人情報や企業の動きと合わせて見ることで、八幡経済圏の雇用がどのように変化しているのかを追っていきます。
現在確認できる主な雇用データ
| 指標 | 最新データ | 内容 |
|---|---|---|
| 京都府の有効求人倍率 | 1.21倍 | 2026年7月 |
| 京都府の有効求人数 | 52,860人 | 2026年7月 |
| 京都府の有効求職者数 | 43,855人 | 2026年7月 |
| 八幡市の就業者数 | 28,917人 | 2020年国勢調査 |
| 八幡市の製造業就業者 | 4,928人 | 2020年国勢調査 |
| 八幡市の運輸業・郵便業就業者 | 2,509人 | 2020年国勢調査 |
| 八幡市の卸売業・小売業就業者 | 4,730人 | 2020年国勢調査 |
| 八幡市の昼間人口 | 63,941人 | 2020年国勢調査 |
| 八幡市の夜間人口 | 70,433人 | 2020年国勢調査 |
※自治体別の就業者数は国勢調査、京都府の求人倍率は京都労働局の統計を使用しています。調査時点が異なるため、同じ年度の数字として比較するものではありません。
京都府の求人は「求人数が求職者を上回る」状態
まず、地域の求人環境を見るために京都府全体の数字を確認します。
2026年7月の京都府では、有効求人倍率が1.21倍でした。
有効求人数は52,860人、有効求職者数は43,855人です。
単純に割ると約1.21となり、求職者1人に対して1件を超える求人が存在する状態です。
ただし、これは京都府全体の数字です。
八幡市だけ、あるいは八幡経済圏だけの求人環境を表しているわけではありません。
そのため、このページでは今後、地域の求人情報と組み合わせながら見ていきます。
京都府全体では求人に弱さも出ている
求人倍率だけを見ると「仕事は多い」と感じますが、最近の動きには注意が必要です。
京都労働局は2026年7月の雇用情勢について、雇用情勢は緩やかに持ち直しているものの、求人の動きには弱さもみられるとしています。
2026年7月の新規求人数は前年同月比で1.7%減少しました。
特に製造業は前年同月比5.8%減、運輸業・郵便業も減少しています。
一方で、建設業、情報通信業、生活関連サービス業・娯楽業、医療・福祉などでは前年同月比で増加しています。
つまり、「求人が多い」という状態と「すべての業種で求人が増えている」という状態は別です。
八幡経済圏を見る場合も、全体の求人倍率だけでなく、業種ごとの動きを確認する必要があります。
八幡市では製造業と物流が大きな雇用分野
八幡市の雇用構造を見るには、国勢調査が基礎データになります。
2020年国勢調査では、八幡市の15歳以上就業者数は28,917人でした。
産業別に見ると、
| 産業 | 就業者数 | 全体に占める割合 |
|---|---|---|
| 第1次産業 | 592人 | 約2.0% |
| 第2次産業 | 6,606人 | 約22.8% |
| 製造業 | 4,928人 | 約17.0% |
| 建設業 | 1,677人 | 約5.8% |
| 第3次産業 | 20,187人 | 約69.8% |
| 運輸業・郵便業 | 2,509人 | 約8.7% |
| 卸売業・小売業 | 4,730人 | 約16.4% |
となっています。
ここで注目したいのが製造業です。
八幡市では、就業者の約6人に1人が製造業に従事しています。
「八幡市は物流のまち」という見方だけでは、地域の雇用構造を十分に説明できません。
製造業も八幡市の雇用を支える大きな産業です。
一方、運輸業・郵便業も2,509人となっており、地域の就業者の約8.7%を占めています。
物流施設の増加を考えるとき、この既存の物流雇用が今後どう変わるのかは重要な観察ポイントになります。
八幡市は「物流だけ」の地域ではない
産業別データを見ると、八幡市の雇用は複数の産業に分散しています。
製造業、卸売・小売業、運輸業・郵便業、医療・福祉、宿泊・飲食など、それぞれに一定の雇用があります。
これは八幡経済圏を考えるうえで重要です。
例えば物流施設が増えれば、物流会社の求人だけでなく、
- 倉庫作業
- フォークリフト
- 配車
- 物流事務
- 設備管理
- 警備
- 清掃
- 食事・小売
- 車両整備
など、周辺の仕事にも影響する可能性があります。
ただし、どれだけ増えるかは施設の入居企業や業務内容によって変わります。
そのため、このサイトでは施設面積から雇用人数を推測するのではなく、実際に出てきた求人を記録する方針です。
通勤データから見る八幡市
雇用を考えるとき、もう一つ重要なのが「どこに住んで、どこで働いているか」です。
2020年国勢調査では、八幡市の昼間人口は63,941人、夜間人口は70,433人でした。
昼間人口が夜間人口を6,492人下回っているため、八幡市は市外へ通勤・通学する人の方が、市外から入ってくる人より多い地域です。
これは、八幡市に企業が少ないという意味ではありません。
実際には製造業や物流業など、多くの雇用があります。
ただ、住宅地として八幡市に住み、京都市や大阪府など市外へ通勤する人も多いということです。
八幡市の経済を考える場合、
「八幡市に住んでいる人」
と
「八幡市で働いている人」
を分けて考える必要があります。
八幡経済圏の市町で違いがある
八幡市周辺でも、人の流れは同じではありません。
2020年国勢調査の昼間人口と夜間人口を見ると、
| 地域 | 昼間人口 | 夜間人口 | 昼間人口-夜間人口 |
|---|---|---|---|
| 八幡市 | 63,941 | 70,433 | -6,492 |
| 京田辺市 | 72,948 | 73,753 | -805 |
| 久御山町 | 28,497 | 15,250 | +13,247 |
| 城陽市 | 64,455 | 74,607 | -10,152 |
となっています。
特に久御山町は昼間人口が夜間人口を大きく上回っています。
これは、住宅地としての人口以上に、町内の事業所で働く人が集まっていることを示しています。
一方、城陽市や八幡市では昼間人口が夜間人口を下回っています。
この違いを見ると、八幡経済圏の中でも、
「住む地域」と「働く地域」
の役割が異なっていることが分かります。
求人データと人口データを組み合わせる
今後、このサイトで重視したいのが「求人」と「人口」を別々に見るのではなく、組み合わせることです。
例えば、
物流施設が増える
↓
企業が入る
↓
求人が増える
↓
働く人が増える
↓
通勤者の流れが変わる
↓
周辺の飲食・小売・住宅などに影響する
という変化が考えられます。
逆に、企業が撤退した場合は求人が減り、通勤者も減る可能性があります。
こうした変化を数字で追えば、単なる「ニュース」ではなく、地域経済の変化そのものを記録できます。
今後このページで追うデータ
今後は、以下の数字を少しずつ追加していきます。
雇用
- 就業者数
- 産業別就業者数
- 事業所数
- 事業所の従業者数
- 雇用保険被保険者数
求人
- 求人数
- 新規求人数
- 求人倍率
- 職種別求人
- 給与水準
- 正社員求人
- 未経験求人
人の移動
- 昼間人口
- 夜間人口
- 流入人口
- 流出人口
- 通勤先
- 通勤元
企業・産業
- 製造品出荷額
- 商業販売額
- 物流施設の増加
- 工場の新設・増設
- 企業の進出・撤退
特に重要なのは、同じ数字を毎年・毎月追うことです。
1回だけ見れば単なる数字ですが、時間を重ねることで「増えた」「減った」「変わらない」という変化が見えてきます。
八幡経済圏の雇用はこれからどう変わるか
現時点では、八幡市には製造業と物流業の両方に一定の雇用があります。
そこへ今後、大型物流施設の稼働が加わります。
一方で、京都府全体では求人倍率が1倍を超えているものの、2026年7月には新規求人数が前年同月比で減少しており、製造業や運輸業・郵便業でも減少が確認されています。
そのため、
「物流施設が増えるから求人も必ず増える」
と単純に考えるのではなく、実際の求人データを追う必要があります。
このサイトでは、企業の進出、施設の完成、求人の発生、人口や通勤流動の変化を順番に記録していきます。
数年後に振り返ったとき、
「八幡経済圏の雇用は、この時期からこう変わった」
と確認できるデータページに育てていく予定です。
※このページの数値は、各統計の公表時点に基づいています。統計によって調査年・集計方法が異なるため、比較する際は各データの基準日を確認しています。

