八幡市だけを見ていると、地域経済の全体像が分かりにくいことがあります。
物流施設を見れば京田辺市や久御山町、城陽市とのつながりがあり、企業の従業員も市境を越えて通勤しています。
道路や物流拠点についても、八幡市だけで完結しているわけではありません。
そこで八幡ビジネス通信では、八幡市・京田辺市・久御山町・城陽市を一つの経済圏として見ることで、地域の経済規模や変化を追っていきます。
このページでは、企業、雇用、製造業、商業、人口の流れなどを数字で整理します。
八幡経済圏の規模
まず、民営事業所とそこで働く従業者数を見てみます。
2021年の経済センサスによると、4市町の事業所数と従業者数は次の通りです。
| 地域 | 民営事業所数 | 従業者数 |
|---|---|---|
| 八幡市 | 1,979所 | 26,164人 |
| 京田辺市 | 1,986所 | 25,981人 |
| 久御山町 | 1,538所 | 24,814人 |
| 城陽市 | 2,305所 | 23,374人 |
| 合計 | 7,808所 | 100,333人 |
4市町を合計すると、約7,800の民営事業所で10万人を超える人が働いている計算になります。
もちろん、この10万人全員が八幡経済圏の住民という意味ではありません。
市外から通勤する人もいれば、市外へ通勤する人もいます。
それでも、企業活動という視点から見ると、4市町の経済規模を一体として捉える意味はあります。
八幡市では何の仕事が多いのか
八幡市の2021年の民営事業所を見ると、製造業や運輸・郵便業、卸売・小売業などが大きな雇用を生み出しています。
| 産業 | 事業所数 | 従業者数 |
|---|---|---|
| 製造業 | 228所 | 5,252人 |
| 運輸業・郵便業 | 149所 | 4,954人 |
| 卸売業・小売業 | 501所 | 5,574人 |
| 宿泊業・飲食サービス業 | 139所 | 1,677人 |
| 医療・福祉 | 174所 | 3,337人 |
| 建設業 | 161所 | 951人 |
八幡市では、製造・物流・商業が大きな雇用の柱になっています。
特に運輸業・郵便業は149事業所で4,954人。
1事業所あたりでは約33人となり、ほかの産業と比べても事業所規模が大きいことが分かります。
これは八幡市の立地を考えるうえでも重要です。
第二京阪道路、国道1号、京滋バイパス、新名神高速道路などにつながる交通条件が、物流や製造業の立地と関係しています。
八幡市の製造業はどれくらいの規模なのか
八幡市の製造業も地域経済を支える重要な分野です。
2020年の製造業統計では、従業者4人以上の事業所について、
- 事業所数:128所
- 従業者数:4,762人
- 製造品出荷額等:約1,665億円
となっています。
製造品出荷額等は、工場などで製造された製品の出荷額を示す指標です。
八幡市の場合、製造業の中でも生産用機械器具、はん用機械器具、食料品、金属製品などが大きな分野になっています。
特に生産用機械器具では917人が働き、製造品出荷額等は約656億円となっています。
食品関連では1,723人が働いており、約430億円の製造品出荷額等があります。
つまり、八幡市の製造業は一つの産業に偏っているわけではありません。
商業も八幡市の経済を支える
物流や製造に目が向きやすい八幡市ですが、商業も大きな規模があります。
2021年の商業統計では、八幡市の卸売業・小売業は、
- 事業所数:408所
- 従業者数:4,065人
- 年間商品販売額:約1,737億円
となっています。
内訳を見ると、卸売業が113事業所、1,071人。
小売業が295事業所、2,994人です。
小売業では飲食料品小売業の従業者が1,466人となっており、日常生活に関係する商業が大きな雇用を生み出しています。
八幡市の経済を見る場合、物流施設や工場だけではなく、そこで暮らす人を支える商業やサービス業も含めて見る必要があります。
「働く場所」としての八幡経済圏
人口だけを見ると、八幡市を含む周辺地域では人口減少が進んでいます。
しかし、企業活動を見ると別の姿が見えてきます。
八幡市では2021年の民営事業所従業者数が26,164人。
2020年国勢調査の夜間人口は70,433人で、昼間人口は63,941人でした。
昼間人口が夜間人口を6,492人下回っているため、八幡市は市外から大量の労働者が流入する都市ではありません。
一方、隣接する久御山町では昼間人口28,497人に対して夜間人口15,250人。
昼間人口が13,247人多くなっています。
この違いは重要です。
同じ八幡経済圏でも、
住む場所としての地域
と
働く場所としての地域
の性格が異なります。
八幡市、京田辺市、久御山町、城陽市を個別に見るだけでは分かりにくい人の流れも、経済圏として見ると見えてきます。
物流施設の増加は地域経済をどう変えるのか
八幡経済圏では、物流施設の開発が続いています。
八幡市ではMFLP・LOGIFRONT京都八幡Ⅰ・Ⅱ、京田辺市ではプロロジスパーク京田辺やロジスクエア京田辺、久御山町や城陽市でも大型物流拠点の整備が進んでいます。
物流施設の床面積が増えれば、それだけで地域経済が同じ割合で大きくなるわけではありません。
重要なのは、その施設にどの企業が入るのか、何人が働くのか、どのような仕事が生まれるのかです。
例えば、
物流施設
↓
入居企業
↓
求人
↓
従業員
↓
通勤・住宅・飲食・小売
↓
周辺企業への需要
という流れが考えられます。
今後は大型物流施設の完成だけでなく、実際のテナントや求人情報まで追うことで、この変化を確認していきます。
八幡経済圏の経済データをどう見るか
この地域の経済を一つの数字だけで判断することはできません。
例えば人口が減っていても、企業数や従業者数が増える可能性があります。
逆に物流施設が増えても、その地域に住む人が増えるとは限りません。
そこで八幡ビジネス通信では、今後次のデータを組み合わせていきます。
| 分野 | 追いかける数字 |
|---|---|
| 人口 | 人口・世帯数・年齢構成 |
| 企業 | 事業所数・従業者数 |
| 雇用 | 求人数・求人倍率・職種 |
| 製造 | 事業所数・従業者数・出荷額 |
| 商業 | 店舗数・従業者数・販売額 |
| 物流 | 施設数・床面積・入居企業 |
| 開発 | 開発面積・施設用途・完成時期 |
| 交通 | 昼間人口・通勤流動・道路交通 |
| 住宅 | 住宅戸数・世帯数・新設住宅 |
| 地価 | 公示地価・地価の変化 |
こうした数字を毎年、あるいは新しい統計が公表されるたびに更新していきます。
八幡経済圏は「人口」だけでは測れない
八幡市の人口は減少しています。
しかし、地域経済を見ると、製造業、物流、商業などで大きな雇用が存在しています。
さらに八幡市の周辺には京田辺市、久御山町、城陽市があり、それぞれ異なる経済的な役割を持っています。
この4市町を合わせると、2021年時点で約7,800の民営事業所、10万人を超える従業者が存在します。
これが「八幡経済圏」を数字で見るときの現在地です。
今後、MFLP・LOGIFRONT京都八幡などの大型物流施設が完成し、新しい企業や求人が増えていけば、現在の数字にも変化が出てきます。
その変化が人口に現れるのか。
雇用に現れるのか。
商業に現れるのか。
あるいは人口は減っても、働く場所だけが増えていくのか。
そこを数字で追っていくことが、このページの役割です。
最新データ
2021年経済センサス時点
- 八幡市:1,979事業所・26,164人
- 京田辺市:1,986事業所・25,981人
- 久御山町:1,538事業所・24,814人
- 城陽市:2,305事業所・23,374人
- 4市町合計:7,808事業所・100,333人
※統計の種類によって調査年・基準日が異なります。異なる年度の数字を単純に比較せず、それぞれの調査時点を明記して更新します。

